法令にある「条」、「項」、「号」って何さ!

条、項、号 豆知識
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基本書や問題集を使っていると、よく根拠として労基法○条○項○号と、欄外や解説文に記されています。法令にある「条」・「項」・「号」は、どういった仕組みに基づいて組み立てられているのでしょうか。

条、項、号

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条文の基本単位は「条」

法令は原則として、「条」が基本形です。例えば、「労働基準法三条」のように、法令は「条」から組み立てられます。漢数字で一条、二条、三条と順番に記されていきます。なんか京都っぽいですね。

第三条  使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない 。

「条」を細分化するときは「項」・「号」

条文の中に、色々と盛り込みたい時に使うのが「項」です。内容が若干異なるので細分化したい時に使います。条とは異なり、アラビア数字で1項、2項と記します。下記は労働基準法一条を例にみます。

ちなみに、条文は1項から始まりますが、「1項」は省くことが暗黙のルールとなっています。下の労基法一条では、1項と2項から成りますが、「第一条」からすぐに文章が記されており、「1項」とは付きません。

第一条  労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。
2項 この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。

さらに、条文を細分化させたい時には、「項」の次に「号」を使います。下記の条文は労働基準法十二条の平均賃金です。黄色い背景部分が「項」、赤い部分は「号」です。漢数字を用いて一号、二号と数えていきます。

ここでは便宜上、号番号の後ろに本来は付かない「号」をつけて表現しています。

  • 第十二条 この法律で平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前三箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。ただし、その金額は、次の各号の一によつて計算した金額を下つてはならない。
    • 一号  賃金が、労働した日若しくは時間によつて算定され、又は出来高払制その他の請負制によつて定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の百分の六十
    • 二号  賃金の一部が、月、週その他一定の期間によつて定められた場合においては、その部分の総額をその期間の総日数で除した金額と前号の金額の合算額

    2項  前項の期間は、賃金締切日がある場合においては、直前の賃金締切日から起算する。
    3項  前二項に規定する期間中に、次の各号のいずれかに該当する期間がある場合においては、その日数及びその期間中の賃金は、前二項の期間及び賃金の総額から控除する。

    • 一号  業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間
    • 二号  産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業した期間
    • 三号  使用者の責めに帰すべき事由によつて休業した期間
    • 四号  育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 (平成三年法律第七十六号)第二条第一号 に規定する育児休業又は同条第二号 に規定する介護休業(同法第六十一条第三項 (同条第六項 において準用する場合を含む。)に規定する介護をするための休業を含む。第三十九条第八項において同じ。)をした期間
    • 五号  試みの使用期間
  • 省略

「号」は体言止めの形です。上の例のように、「~金額の百分の六十」、「~休業した期間」と最後には名詞で終わっていることが分かります。

号をより細分化する時

「号」からさらに細分化する時は「イ、ロ、ハ」を使い、「イ、ロ、ハ」をもっと細かく分ける時には「(1)、(2)、(3)」、その次に「(i)、(ii)、(iii)」としています。薄青の背景部分が「イ、ロ、ハ」です。

  • 第七条の二  使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について次の方法によることができる。
    • 一  当該労働者が指定する銀行その他の金融機関に対する当該労働者の預金又は貯金への振込み
    • 二  当該労働者が指定する金融商品取引業者(金融商品取引法 (昭和二十三年法律第二十五号。以下「金商法」という。)第二条第九項 に規定する金融商品取引業者(金商法第二十八条第一項 に規定する第一種金融商品取引業を行う者に限る。)をいう。以下この号において同じ。)に対する当該労働者の預り金(次の要件を満たすものに限る。)への払込み
      • イ 当該預り金により投資信託及び投資法人に関する法律 (昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第四項 の証券投資信託(以下この号において「証券投資信託」という。)の受益証券以外のものを購入しないこと。
      • ロ 当該預り金により購入する受益証券に係る投資信託及び投資法人に関する法律第四条第一項 の投資信託約款に次の事項が記載されていること。

まとめ

社会保険労務士の試験の基本書などでは、この部分の解説をしているものは無い気がします。紙面の都合上(費用の面で)、また、試験だけを考えるとそこまで必要ではないためでしょう。試験において、何条の何項の何号に何々が書いてあったと覚える必要はありません。大まかに、「労基法十九条は解雇制限が書いてあったな、二十条は解雇予告だったな」と覚えていればokです。

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