第47回社会保険労務士試験 労災法・徴収法の択一式の感想

合格 労災保険
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第47回(2015年)社会保険労務士試験・労働者災害補償保険法・徴収法の択一式の講評です。

労災法の難易度は、労災法はやや難化、徴収法は例年並みといったところでしょうか。目標点は7点です。

近年の労災法択一式は、暗記より理解が必要となり、より実務的な観点を求めている傾向です。これは社労士試験全体に言える事でもあります。

面白いのは、10年近く前に出題され、当分の間姿を現さなかった業務災害・通勤災害の該当・不該当に関する問題がここ数年連続して出題されていることです。この種の問題は、実際に生じた業務災害・通勤災害に対する行政側の判断について問われるわけですが、事例を一つ一つ覚えることは不可能です。対処方法は、「業務遂行性」・「業務起因性」を内包しているか否かを峻別できる力を持つことです。テキストや過去問でこの2点を意識しながら問題を解いてきた人が合格に近づけます。

繰り返しますが、暗記だけで合格を目指すのは難しくなりつつあります。暗記+理解、これが合格への近道です。

それでは各設問を簡単に見ていきます。

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労災法の講評

問1 心理的負荷による精神障害の認定基準について、正しいものはどれか

正しいものは、B

精神障害の認定基準については、通達が出た直後の本試験(24年択一式問7)で出題されました。過去問で解いた人もいるでしょう。テキストにもしっかり記載されているところです。

昨今、長時間労働の是正や過労死の根絶に向けて労働行政は動いています。社労士試験についてもそれを意識して今後も対策が必要です。

問1難易度:普通~応用

問2 療養(補償)給付について、正しいものはどれか

正しいものは、A。「指定病院等」について、その通りの文章です。

Bのいわゆる治癒状態では療養の給付が行われないこと、CやEの提出経由地や第三者行為災害の一部負担金については基礎的問題です。

迷うのはDです。事業主が保険給付を受けるために必要な証明を求められた時は、「30日以内に」という箇所が「すみやかに」へ置き換えれば正しくなります。ここはちょっと細かいところです。

問2難易度:易~普通

問3 業務災害および通勤災害について、誤りはどれか

誤りは、E。理美容院で髪をセットする行為は「日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為」に該当するため、理美容院から合理的な経路に復帰した後は通勤に該当します。

「髪のセットなんて休みの日にしろよ!!」、と思ってしまい、候補から外した人もいるかもしれません。気持ちは非常にわかります。

Dについては、労使協議は業務とは直接関係が無く、業務終了から帰宅するまで6時間ほどの開きがあり、このような場合の帰宅中の事故について残念ながら通勤災害は認められません。ちょっと難しいです。

問3難易度:普通~応用

問4 費用徴収に関する記述について、誤りはどれか

誤りは、E。労働保険の適用について加入の指導・勧奨を受けておらず正しくは無いにしろ上位の適用事業に包括して当該事業所は労働保険の適用を受けている訳ですから、事業主の重大な過失は認められません。

問4難易度:応用~難

問5 費用徴収に関する記述について、誤りはどれか

誤りはC。Cの文章の通り、出向先事業主が出向労働者の当該金銭給付を、出向先事業主が支払う賃金として労働保険料計算時の賃金総額に含めて労働保険料を支払う旨の申し出をした場合、当該金銭給付を出向先事業主が支払う賃金とみなして、出向労働者と出向先事業に保険関係によるものと取り扱うことができます

これは出向がある会社に勤めている方だと解けますが、そうでなければ非常に難しいと思います。

Bは新型インフルエンザが海外で蔓延した際に出された通達からの問題です。知らなくても、病に立ち向かう医療現場の人たちのことを考えると業務災害(疾病)として扱われることは推測できます。

問5難易度:応用

問6 正しいものはいくつあるか

アイウエの4つ

オの介護(補償)給付は、介護補償給付の対象となる月の翌月の1日から2年を経過すると時効となります。

問6難易度:普通

問7 年金たる保険給付について、誤っている組み合わせはどれか

A(ア・イ)が誤り。

労災法を含む年金形式の給付は、支給事由発生月の翌月から支給が始まり、支給事由消滅月の当月に支給が終わります。

イの給付基礎日額は、労働者保護の観点から1円未満の端数は切り上げます。

他の選択肢も分かり易く、解きやすい内容です。こういった問題は絶対に落としては駄目。
問7難易度:易~普通

徴収法の講評

問8 農業の事業の労災保険加入について、正しいものはどれか

正しいものはE

暫定任意適用事業の労災保険加入について、労災保険の保険料は事業主が全額負担するため、同意要件はありません。これを分かっていれば、A、Bはすぐに外せます。Bは厚生年金などの任意適用と混同しないように。

問8難易度:普通

問9 建設の有期事業について、誤りはどれか

誤りはE

認定決定された保険料については口座振替はできません。有期事業を除く、普通の概算保険料(延納含む)と確定保険料が口座振替可能です。

問9難易度:普通

問10 下請事業の分離について、正しいものはどれか

正しいものは、D

Bは法改正の内容ですが、今回は下請分離の話なので「かつ」は登場しません。

Eについては、あくまで徴収法(保険料の納付など)についての分離だけなので、分離後の当該下請負人が、当該下請負人以外の下請負人(孫請けとか)およびその使用する労働者に対して、労働関係の当事者になることはありません。

問10難易度:普通

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